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アジアに広がるオーガニツクの熱い風
−IFOAMアジア国際会議に参加して−
(1998年1月25日 鶏卵肉情報誌より、そのまま掲載しています) 生産者が主導権を握る 昨年 12月上旬、インドで開催されたIFOAMアジア国際会議に参加した経験を基に、アジアで広がるオーガニツクの波(風)について、私の意見を述べさせて戴きます。IFOAMとは国際有機農業運動連盟の略であり、世界100カ国以上から1000人以上の団体・組織が加盟し、アジア20カ国から210の団体が加盟している、世界の有機運動の推進母体という位置にあります。次回のIFOAM世界総会は1998年11月にアルゼンチンで 喜開催、1999年の第四回IFOAMアジア総会開催国はフィリピンに決定しています。有機を目指す日本の生産者・生産団体が国際会議に参加することに意義があったと強く感じました。結論からお話しします。アジア諸国は、オーガニック食品に付加価値を付けてアメリカ・ヨーロッパ・日本等へ輸出できる。オーガニック生産者が自分の国の環境と安全を考えながら、経済的に豊かになっていく。日本以外のアジア諸国の人々はオーガニック食品の消費は非常に少ないはずです。オーガニック食品の購入理由としては、環境上の理由よりも、自分の健康と安全の間題であるからです。生産者が主導権を持ち、地域・アジア・世界の消費者に、あらゆる流通チャネルを通して、販売できる。その証拠に、フイリピン・インド・中国が最も IFOAMへの入会数が急増しているとのことです。健康と安全、そして環境という消費者と生産者との間の価値観の共有がオーガニックの風と言えます。アジア会議の公用語は英語でした。したがって英語を話す国が会議をリードすることになります。英国英語を話す世界最大の民主主義国インド。米国英語を話すフィリピン。英国英語を話す香港(中国)。国際会議参加者は通訳を通さず、自らの英語力で意見を述べなければなりません。この時代が遂に来たと強い印象を受けました。というのは今回、日本代表として橋本慎司さんがIFOAM理事に選ばれたのです。橋本さん(兵庫県有機農業研究会)は実にみごとな英語で挨拶されました。私も米国に5年間留学したことがあるので、適任の理事が生まれたと熱い風を感じました。もう一点は、アジア・世界の中の日本の役割として、オーガニックの目標達成するために、日本の各有機団体は団結していかなければいけないということです。ヨーロッパはかなりの国がオーガニックを法制化しています。また、アメリカも有機食品生産法が実施されるようです。アジアの内にも、中国が1995年に中国版オーガニック食品生産法を制定・実施しているのには驚かされます。インドも有機統一基準を策定し、法制化を検討中であると聞きました。日本でも統一基準を作るべきであると、多くのアジアの参加者から発言がありました。それはなぜか。今回の国際会議での質疑で、「オーガニツク食品を5カ国に輸出している。どの基準に従うのか。書類とコストを考えてほしい。できれば、一つが理想であるが」という声に考えさせら机たからです。国際会議に日本代表を送り込み、日本版オーガニツクを説明していく必要があります。商社・政治家・行政関係者とともに、生産者と加エメーカーから成る日本代表団が望ましいと思います。そのために各有機団体が横断的委員会で、生産・加工・流通・国際行政・認証等で一つに団結することが重要です。日本もアジアの一国です。このIFOAMアジアを通して、海外取引をビジネスと考えずに「友好国づくり」と位置づける発想転換が求められているのではないでしょうか。「あかね会」を通して「友好国づくり」を行う。以上三点が私の意見です。 国内オーガニックヘの動きについて、次の項目の順に私の見方を書いてみます。 (1)第三回IFOAM・ASIAインド会議 (2) IFOAM・JAPAN協議会 (3)日本オーガニツク農産物協会 (4)オーガニックチキンと我が社の取組み (5) あかね会夜明け前の暗闇から紫、そして日の出直前の色がまさに茜色です。「農業が工業に勝つ日」を夢見て、我々はその魁となりたい。そんな想いを込めて「あかね会」と名付ける。「バンガロー宣言」を採択 第三回 IFOAM・ASIAインド会議において、バンガロー宣言が出された。要約すると次のようになります。1997年12月3日、南インドのバンガロールにて400人以上のアジアの22カ国からのIFOAMメンバーである農民、諸種のNGO、社会活動家、社会科学者、農業科学者によってまとめられた。バンガロー宣言の中には、次の提案が強くなされています。@食糧安保と自給自足を全ての開発計画と活動の前提として受け入れ、実行する。A教育機関や施設は、有機農業を全ての教育の基本として受け入れ、実行し、資金の少なくとも50%を人々の自給自足につなぐエコロジカル農業の昇進に当てること。その全ての有機農業の教育・研修レベルにおいて、女性も平等のアクセスと機会を提供されること。B生産・流通システムは経済的観念のみでなく、道徳や環境を考慮した上で行われること。C女性は農業生産において対等なパートナーとして認められ、待遇を受け、全ての土地分割や所有において男性と対等に扱われること。D研究・教育施設は、伝統的、文化的知恵と活力に焦点を当て、その記録を作り、広め、私的利益のための使用や特許に悪用されないよう努めること。女性の平等と教育機関や施設における有機農業の教育に焦点がおかれているのがポイントのようです。IFOAMの目標を再確認することにしましょう。「土と健康」によると、第三世界(アジア・アフリカ・南米)のために打ち出したIFOAMプロジェクト「1999年までの有機農業」が1996年に実行に移されました。このプロジェクトは次の7つから成ります。@データ収集、A世界統一基準の推進、B慣行システムと有機農業との比較、C立法機関による世界的基準の受け入れ、D地域市場の開発、E有機農業の普及と研修、Fネットワークづくりとロビー活動。さらに、プロジェクトの目標を次のように明確化しています。@2000年になる前に、有機農業や持続可能な農業の世界生産における市場占有率を少なくとも5%に引き上げる。A持続可能な農業にとっての基準の一つの世界システムを強化する。B有機農業や持続可能な農業の経験を既存の研究団体、特に発展途上国に開示する。C有機農業と持続可能な農業と加工技術にアクセスしやすいようにする。Dマーケティング構造を開発する。 以上の実行と目標によって、アジアのオーガニツク食品を考えるのがよいのではないでしようか。今回の総会で選任された理事の出身国はインド、ネバール、中国、フイリピン、日本の五カ国から成っています。日本以外の国はオーガニツク食品生産輸出国と考えて良いでしょう。なぜなら、自国ではほとんど消費されないからです。現状は、アメリカ人とヨーロッパ人がより多く のオーガニック食品を消費しているのです。輸入国は第三者による認証制度もあり、安全と健康と環境を守る生産基準が整っているのです。当然、オーガニック消費国は国際生産基準を適応することが、国内オーガニック生産技術と安全レベルを向上させることが可能になると思います。オーガニック食品生産も生産披術面で国際競争することにより、より良い安心・健康・環境の三要素を傭えた食品を作り上げていくものと信じています。競争なき社会は弱くなっていくものです。技術力は日本人の得意とする分野であり、将来、日本はオーガニック食品の輸出国になっていくことでしょう。 IFOAN・JAPAN協議会第三回 IFOAM・ASIAインド会議準傭のため、平成9年7月に第一回IFOAM・JAPAN協議会が東京で開催され、次のIFOAMメンバーが集まりました。日本有機農業研究会(JOAA)、日本オーガニツク&ナチュラルフーズ協会(JONA)、日本オーガニツク農産物協会(NOAPA)、環境保全型農産物生産・加工・流通認証協議会(Axis)、大地を守る会、日本リサイクル運動市民の会、ボラン広場。IFOAMの目標に日本の各民間団体がデータ収集と地域市場の開発に対して横断的に団結し、協議会は五回開かれました。また、同時平行して二つの会の誕生も続きました。@日本オーガニツク認定連絡協議会”認定の情報交換・認定の検査官(IOIA)の勉強会等を実施するために平成9年7月末に立ち上げられた会。参加団体はAxis・JONA・NOAPA。もう一つはA日本オーガニック検査官協会1−米国の検査官協会であるIOIA(独立検査官協会)の本部の脇カを得て、IOIA日本委員会として検査官養成のための講習会や講演会を企画する会。認定オーガニック食品を世に出す態勢が整った訳です。平成10年度には、各会の活躍が期待されています。大変嬉しいことです。IFOAMの目標を達成するには、世界統一基準の推進、立法機関による世界的基準の受け入れの重要な2項目が残されています。これをどうするのか。難しい間題ですが、避けて通れない門です。ある講演者がインド国際会議でこういう発言しました。「オーガニツクの普及にはステッブがある。教育、市場を通さない生産者と消費者間の地域開発、オーガニック市場開拓とあり、今がオーガニック市場の夜明けの時である。経済性の次、環境、そして文化的要素が加わる。まず、経済性の確立をすることが重要である」と。日本はアジアの中へ、そして世界へ飲み込まれるか、または、リーダーシップをとるかの選択が近年必要ではないか。幸い日本からは約20団体がIFOAMのメンバーとして参画しており、今後はIFOAM・JAPANのメンバーが横断的に日本○○○協会を設立し、世界の中の日本、友好づくりの日本の立場を明確にしていくことになるでしょう。平成10年とはまさにこの年です。この世界的波は、第二のガットの熱風であり、アジアに熱い風を吹いています。我々の子・孫のため、日本と日本人のための日本墓準に、私も微力ながら努力する覚悟でおります。皆さんに、こういう時代が来たことを知って戴きたいのです。 少し具体的な内容に入っていきたいと存じます。私が常務理事をしている日本オーガニツク農産物協会をご紹介させて下さい。まず誇りたいのは、創設者メンバーは志の高い同志であるということです。昨年、畜産農家の有志 20名によって設立されたオーガニック農産物を認定する民間の団体です。日本オーガニック農産物協会の認定システムは、独自の基準により、第三者機関に検定をお願いし、誰がみても公正な農産物を認定するシステムです。協会が目指す方向は、環境保全型農業を通して食の安全性を追求するものです。現在の会員構成はブロイラー生産者、採卵鶏生産者、酪農生産者、養豚生産者、野菜生産者、米生産者、果実生産者から構成されており、わが国では唯一の生産者による認定団体です。生産者自ら国際基準に挑戦しようと、認定基準は米国・ヨーロッパでも通用できるくらい高いレベルとなっています。アメリカ最大の有機認定組織がOCIA(有機農作物改良協会)で、OCIAインターナショナル付則第6条(一般会員総会)の6・4(会議手続き)には「投票であればいかなる時にも、農家又は農家が管理するグループが会員投票権の総数の最低限三分の二を確保するために、投票権は修正される」とあります。認定団体は生産者が三分の二以上でなければいけないということです。生産者のための、生産者による、という思想は、日本オーガニック農産物協会に影響を強く与えています。これにより、生産者が流通チャネルを選択できる時代が来るのです。自分が値段を付けて良いのです。「オーガニックチキン」 昨年、日本初のオーガニツクチキンが認定委員長の中村さん(給、栄ファーム)と松本会長(鰹シ本鶏園)の昔労のお陰で誕生しました。すばらしい出来事でした。心より「おめでとうございます」と感謝を表したいと存じます。数年前より、海外のオーガニック視察、認定基準作成会議、定例会、施設と技術投資等のお陰で、協会と認定チキンが生まれた訳です。今年は認定食品づくりのために、市場開拓、新会員拡大を図る計画です。 10以上の認定食品誕生を期待しています。ところで昨年末、−香港で発生した烏インフルエンザ間題は、改めて生産の安心重要性を考えさせられた事件でした。安全ではなく安心という言葉が適当ではないでしょうか。安心は金だけでは解決できない。工場・機械・運送関係は金で解決できますが。人の管理とチキンの飼育面では、まだまだやるべきことが多くあるようです。皆さんも中国やインドヘ行かれたことがあれば、よく分かっておられるはずです。この点はテ マ外ですので、意見は控えます。養鶏関係のブロイラー、つまりオーガニックチキンと我が社の取組についてですが。昨年、世界初のオーガニックチキンを世に出したのが日本オーガニック農産物協会(NOAPA)です。 NOAPAの認定生産基準を要約すると次の通りです。@飼料は最終製品重量の70%が認可された原料であること。抗生物質、合成抗菌剤、合成化学物質は不可(合成アミノ酸除く)。人工粗飼料、尿素、故意に有機肥料を与えること及び類似した行為は禁止する。A飼育条件は開放鶏舎で、飼育密度は坪35羽以下とし、運動可能なスペースを小屋の外に持ち、鶏の福祉を考慮する。その他健康管理、監査追跡等あります。処理場関係では、検査、原材料、加工行程と使用機械、包装、貯蔵、監査追跡、品質管理、衛生と保全、害虫駆除、ラベルやシールの使用、移動等となっています。徹底的に、安心と環境を追求していくことが、技術レベルの向上になり、日本の生産者団体の役割になっていくはずです。アジア諸国の期待がここにあるのです。我が社の取り組みについて書く時、3年程前を思い出します。鶏卵肉情報1995年4月25日号の記事を取り上げさせて下さい。 「消費者二ーズをとらえた自然食品・阿波すだち鳥生産・販売体制確立へ。月間6万羽、直販ルートで無投薬を保証。消費者が鶏肉に対して求めているのは、低廉かつ高品質、より安全で健康的、人と環境にやさしく、素材本来のおいしさと風昧を生かした自然食品のイメージであろう。長引く需要低迷、増加の一途をたどる輸入鶏肉、採算割れの低迷相場が国内のブロイラー生産を直撃する中、徹底した合理化によるコスト競争力の強化とあわせ、このような消費者の二ーズをとらえた生産・販売体制の確立もまた急務である。潟Cシイフーズは今年一月よりグループ内の石井養鶏農業協同組合において、抗生物質、抗コクシ剤を一切使わない『無投薬チキン』の本格生産をスタート。平成4年度から実施された食鳥検査制度に先駆け、安全性と衛生の向上を目指した薬剤の自主規制を進めている。無投薬飼育を根幹にした衛生プログラムの確立、ブロイラーケージシステムの開発など、市場二ーズの一歩先を見つめた研究・生産体制を実践している」当社もNOAPAオーガニツクチキン基準に基づく生産計画を今年の春から実践します。誰よりも喜んでくれるのは、生産部であります。永井、笠原、道上、そして担当役員の阿佐にとって、まさに10年来の夢が叶うのです。「無投薬で健康な鳥を育てたい。 10年前、この無謀とも言える夢にチャレンジした男たちがいた。以来5年間、失敗を重ねながらもコツコツとデータを取り続け、自然飼料のベストバランスの配合割合数値に挑ん だ。時にくじけそうになる心をかすかな希望にっなぎ、平成5年10月、夢にまで見た理想的な配合バランスを遂に発見!イシイミックスと命名し、さらに『最良のデータ』の確固たる裏付けを得るため綿密な作業は1年問に及んだ。そして6年間にわたる苦闘の末、無投薬で健康な鶏を育てることに成功したのです。平成6年10月より、このイシイミックスで育った無投薬チキン『阿波すだち鳥』の商品化がスタートした。思えば、石井養鶏農協の基本である健康な鶏を生産しなければならないという命題が、イシイミックスを創出させたのである。私たちは、これからも地道にコツコツと野外データを積み上げていくことを大切にしたいと考えています。また、それが私たちの誇りでもあるのです。最良のデータから生まれた、イシイミックスで皆さんにもこれまでにない素晴らしい成果を出していただきたいのです」長い文章になってしまいましたが、意気込みを感じて戴ければ幸いです。国内畜産の成長分野として、養鶏場、養豚場、酪農家の無投薬食肉づくりに、イシイミックス販売を通してお役に立たせてもらっています。ソフトは独占されるものでなく、世の役に立ってこそ生きるものと思っています。「社員と生産者の喜ぶ顔が見たい」。これが私の経営理念であります。 私がなぜオーガニックチキンを目指そうと考えたかを説明します。3年前、米国のあるインテ創業者とオーガニックチキンについて意見交換しました。オーガニツクチキン生産の目的は良い地域環境保全にあり、都市近郊中小処理場、加工場は地域社会の消費者から守られていく。したがって大手インテが参入できないという意見であったと記憶しています。この時、これだと、体に熱いものを感じたのを忘れません。環境維持チキンは品質とコストを超越することになるのです。輸入、大手と競争できる分野はこれしかないと確信しました。もしこの分野が日本の国産チキン産業に入社する若者に明るい光を与え、情熱の火を燃やすことができればと願ったものです。環境を守る生産者主導の時代がくると考えたのです。環境チキンが金になる。今からでも遅くない。3年前のある米国大手インテ創業者の意見に感謝しております。当社が業界に先駆けて、阿波すだち鳥「無投薬チキン」に本格的に取り組む指導を与えてくれたからです。 「農業が工業に勝つ日」 さて、「あかね会」設立についてですが。私の人生の主題、夢は「農業が工業に勝つ日」を実現することです。いつか生命を守る農業が生産性と効率の工業に逆転勝ちすると信じています。戦後 50年負け続けた農業、もし勝てばこれぐらい嬉しい日はない。まず初めに、オーガニックの風が化学肥料と薬を減少させ、無投薬食肉生産が増加すると考えられます。我々のイシイミックスや液肥がオーガニックを育てるようになっていくのです。おもしろい時代が来ますよ。あかね会は大河ドラマ「農業が工業に勝つ日」の夜明けの会となっていくはずです。夜明け前の暗闇から紫、そして日の出直前の色がまさに酉色です。「農業が工業に勝つ日」を夢見て、我々はその魁となりたい。そんな想いを込めて、「あかね会」と名付ける。魁(さきがけ)とは、まっさきに敵中に攻め入ること。また、まっさきに事をはじめること−。これが「あかね会」の命名の由来です。2020年に会員目標100万人を目指し、各地に支部を設立し、農業を強くしていく。まず初めに、国内でオーガニツクからスタートし、海外の国とは、共通テーマを通して「友好国づくり」を進めたいと思います。平成10年度は、朝びきのように、”環境維持チキン(無投薬、オーガニック等)”の市場を創りたいのです。共鳴してくれる生産者と、鶏肉全消費量の1%=「1000万羽」を目指します。同志が集まり、1%のマーケットシェアを獲得できれば、多少は相場に対して発言権も持てることでしょう。なにも、輸入のように、何割もとは考えていないのです。まず1%、次に5%。こうすれば、チキン生産者も元気が出てくるのではないでしょうか。日本の大手商社は経済的理由からのみ、海外生産へとシフトしていきました。その一方で、国産チキン生産者は元気を失っていったのです。私は輸入には反対していないのです。資本主義社会では、安くて良い食品・サービスが強い。これが市場原理というものです。ではブロイラーの品質とコスト競争で、アメリカ、中国に勝てるのか。私は5年間米国に留学していましたが、答えは「勝てない」。だから、輸入が増えてきたのではないでしょうか。国産6割、輸入4割としますと、おそらく多くの皆さんが計画されているように5対5へと進んでいくようです。世の中は変わったのです。経済より優先しなければいけない分野、例えば、アジアのオーガニツクの熱い風が時代の中から生まれてきたのです。アメリカとヨーロッパに強く影響受けるアジアの国々(アジアは輸出国、日本は輸入国)が、オーガニック分野で日本をリードしようとしているのです。最後に、当社の平成10年度スローガン「仕事を好きになり、短期集中の繰り返し挑戦、負けるたびに強くなる」の心構えで(役職員一同頑張って「社員と生産者の喜ぶ顔が見たい」と思います。まず竹内が魁となりたい。 追記 失礼な表現があったかも知れませんが、誰かが言わなければならないし、誰かがやらなければいけないことなので、私は適任ではないかもしれませんが、あえて書かせて戴きました。社員、生産者、地域社会、日本を守り、我々の子、孫の時代に、 20世紀末のチキン経営者は立派な事業をやったと尊敬される社長になれたらと常に思っています。勇気を持って、意見を述べさせていただきました。ありがとうございました。よろしくお願いします。
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