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この人、このレストランからオーガニックが芽生え,広がった
'89年、アメリカでは「リンゴの落下防止剤間題」が世間一般の話題になった。これはその農薬に発がん性があり、特に子供たちに影響を及ぽすと女優のメリル・ストリープが抗議に出たからでもあった。翌90年に「オーガニック,食品生産法」が議会で承認されたが、そもそもオーガニックのムーブメントを起こしたのは、ここに紹介すアリス・ウオーターズだ。71年、バークレーに地中海風料理のレストランとしてアリスの「シェ・パニーズ」はオープンした。 オーナーシェフの彼女は地元の有機農作物を使ってシンプルで季節感のあふれる料理を提供することを心がけた。この時代のアメリカは人々が食卓から離れ、ファースト・フードや冷凍食品で食事をすませ、子供たちの間にも肥満が増えていった。また白然食もあることにはあったが、どこかストイックで主義や思想などもオブラートされていた。決してうまいものではないというイメージが強かった。しかし、「シェ・パニーズ」の料理は健康的でなおかつ旨いものであった。アリスは生産者の顔が見えない素材は一切使わない。そして、料理を作るときのもうひとつのルールが、手に入るもののなかで最も新鮮で最高のクオリティの食材を調理することだ。 彼女はインタビューのなかでこんなことも話してくれた。「私は、多くの料理学校が本当に料理のことを生徒たちに教えているのか疑問に思うときがあります。料理は作るだけのものではないし、食べるだけのものではないのです。レシピを憶えるだけでは意味がなく、素材から始まらないと、土から勉強していかないと、素材の本当の昧、季節によって変わる昧のことなど分からないと思います。料理は土地や気候に合わせて作るものですから」 アリスさんの考えにまず影響を受けたのは地元の農業関係者たちで、特に小さな農場を持つ人たちだった。少しずつ連携が深まっていく。また、彼女は地元のマーティン・ルーサー・キング中学のコンクリートだった広場を耕しミズナやルツコラなどを植えた。これはこの中学とアリスが手を組んで生徒たちにガーデニングを教え、その野菜で料理を作り食べさせるところまで実行したのである。これには政府も関心を示した。こういったアリスの30年近くの行動が実り、今やアメリカ全上に広がり、食文化が貫弱になっている今、多くの人たちがクオリティを重視するようになっている。これは他のレストランのオーナーから聞いたのだが、「若い人たちほどオーガニックを求めている」とも。そういえばサンフランシスコでもロスでもオーガニックの果実を使ったジュース・バーが若い人たちの溜まり場になっていた。 ところで私たち取材班が彼女と会ったのは「シェ・パニーズ」でではなく、ちょうど出版した本のブロモーションで来ていたサンタモニカでであった。その日は近くでファーマーズ・マーケツトが開催され、アリスと一緒に 見てまわった。出店している80パーセント以上がオーガニックであった。野菜や果実ばかりではなくオリーブオイルやチーズなども並んでおり、近くのオフィスから出てきた若いビジネスマンなども目立った。日本では想像がつかないほど一般に普及しているという印象を持った。 数日後、学生の街バークレーにある「シェ・パニーズ」でランチを食べた。スー・シェフやパテイシェのアレンが取材に応えてくれたが、「シェ・パニーズ」では毎週金曜日に仕入れ先(農産物、畜産物、チーズなどで現在75軒)から出荷可能リストが送られてくるそうだ。チノ農場もそのなかのひとつで農作物だけで11軒ある。早朝食材が運ばれ、その日のメニューが決まっていく。必ずスタッフが料理を試食し手直しが加えられていく。 ランチはアラカルト料理で前莱10種とメイン料理が6種、そしてデザートが6種あり、ピッヅァやパスタなどもあるカジュアルなラインナップだった。私たちはサンフランシスコ湾で獲れたイワシのマリネやトマトソースのアンチョビのピザ、鴨の脚肉のブレゼなどをオーダーした。アメリカを代表するトップクラスのレストランにしては6ドル75セントから高くても17ドル50セントで、良心的な値段だといえるだろう。2階の80席あるダイニングはビジネスマンから初老の夫婦、妙齢の美しき女性たちであっという間に席は理まり、階段のところに客が待つという賑いだった。料理はいずれも品が良く、清らかさが漂っていた。素材の真味に感激し、おさえた味のバランスのよさに店の風格を感じた。ちなみに塩はフランスはブルターニュ地方のフルール・ド・セルを、砂糖は南米パラグアイのオーガニックシュガーを使っていた。 return to top |
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元気で健康に生きていくための食材、それがオーガニックだった
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Last update: 2002/07/27
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