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特集記事: 食品の安全問題について
(原語が英文の和訳はMLT編集局によるもので一部意訳を含むことがあります)

米国農務省「有機食品」の国内統一基準を策定
遺伝子組み換えトウモロコシ「スターリンク」
狂牛病−欧州全域に広がる勢いで政治問題化
農業における抗生物質の使用問題、その他


 

米国農務省「有機食品」の国内統一基準を策定

 
(Organic & Natural Online誌より)

米国農務省、最終的なオーガニック規則を発表

十年にも及ぶ議論を経て、20001220日に米国農務省(USDA)は国家有機プログラム(National Organic Program)の最終的な実施計画を公表

ワシントン発 -- 20001220日、十年にも及ぶ議論を経て米国農務省(USDA)は国家オーガニックプログラム(National Organic Program)の実施計画を公表した。「策定には約十年の歳月が費やされ、官民のパートーナシップに基づいた協同作業の代表的例となる」と退任間近いグリックマン農務長官は語った。「我々は農民、農事関係者、消費者を対象とする基準作りを目指していると述べてきたが、正にその通りのことが実現できた。そして、これからはオーガニック農業全体を対象とした次のステップに踏み出す時期であり、21世紀の農業政策に於いてそれがいままで以上に重要な役割を担うことにしたい」と付け加えた。

業界関係者はこの最終案について一様に評価しており、「首都ワシントンは快晴、オーガニック産業にとっても同じ。この規則は良くできており、はっきりした規則であると同時にオーガニック産業の前進に貢献するだろう」と有機取引協会(OTA-Organic Trade Association)のヂマッテオ常務理事は語った。また、同理事は「当規則が完全ではないことを指摘すると共にOTAとしてそれらへの対策の余地があるが、全体としては満足している」ともしている。

USDA20003月に提案した改定案に対して、約41,000ものコメントを受けた結果、最終案にはそれらが盛り込まれた。この最終的な規則は連邦政府官報(1221日予定)に発表された後、60日をもって発効し、この日から18ヶ月後には完全に施行される。驚くには当たらないが、USDAは改定案が示した時の言葉通り、オーガニック製品の生産には一切の放射性照射、汚泥、遺伝子組み替え(GMO)物質の使用を認めていない。但し、以下の幾つかについては若干の変更が加えられている。

  • 「オーガニック成分使用」が表示される製品には、最低70%のオーガニック成分、当初3月の提案では50%、の使用でなければならない。この規則により、米国は欧州と同等の食餌法をなる
  • 加工業者は主な表示パネルで正確なオーガニック成分の比率を示すことができる
  • Organic乳牛群への移行のための、A "whole herd" clauseが採用された。この今回限りの特別処置は、農民に対し、9ヶ月間は100%以下のOrganic飼料であっても、最後の3ヶ月に100%Organic飼料を与えれば、Organic乳牛群として認めるというものである。Amy Forgues(Organic Valley farmer cooperativeMember)は、USDAの記者会見の際に”100%Organic feed使用に対するこの一度限りの免責条項は、現在の記録的な乳製品価格の下落を考慮に入れた場合には、Organicへの転換にとって、きわどい問題である”と語った。
  • 亜硫酸塩を含むワインは「オーガニックぶどうにより製造」のラベルを使用できる
  • 製品が95%、もしくはそれ以上のオーガニック成分を含まねばならないことを示すUSDAシールについては、意匠設計が修正された。即ち、新しいシールでは、緑と白の円弧に囲まれ「USDA Organic」の表示となる。USDA検査対象の格付けプログラムの多くで使用される従来のバッジに替えた新しいシールの意味は、同省に寄せられたコメントへの答えでもありオーガニック製品が従来のものに比べて「より良く、より安全」であることを示すため意図でもある。「このオーガニック・ラベルはマーケッティングの道具である。それは、食品の安全性を示すということではないし、オーガニックが栄養とか品質の価値を測ると言うことでもない」とグリックマン長官は述べている。なお、この新しいシールは18ヶ月に亘る完全施行期間が終わるまでは使用されない。
  • 製品が95%のオーガニック成分を含むものについては、残りの5%についてその成分が商業的に入手できないことを示さねばならない。この点については、USDA90日間のコメント聴取期間を設けており、その中には当規則が生産者への負担にならないか、またどう実施細目を監督するかなどが含まれている。「USDAが仮にその定義が難しいにしても、商業的に入手可能か否かということを挿入したことは賢明だと思う。より安全をとるならば、特に必要はない“とすれば良いところを、USDAは正しいとは言え、敢えて難しい道を選んだとも言える」国際品質保証団体(QAI)の上級副社長のシミリ氏はこう語っている。
  • 業界関係者が指摘したその他の懸念については、最終規則では変更なかった。例えば、

USDAはまた遺伝子組み替えに関して受け付けた多くのコメントに関して、今回のオーガニック規則の対象外とすることを決定した。オーガニック生産に於いて遺伝子組み替えは依然として許容されてはいないが、従来型農業に従事する農民に対して緩衝領域を求めてはおらず、またオーガニック事業への転換を図る際の義務についても明確にしていない。さらに、オーガニック生産物の中の遺伝子操作をした物質の存在について、それをオーガニック認証違反とは必ずしもしていない。

全体としては、この最終案が発表された直後のオーガニック産業関係者の反応はこれを喜ぶ色彩が強かった。「この国の規制は、現在のオーガニック産業の顔を変えるだろう」とジェネラルミルズ社の子会社であるスモールプラネットフーズ社の創始者、CEOであるカーン氏は述べている。「新しい規則の元手オーガニック産業が花開くことを期待する」とスミリー氏は付言し、さらに「メリガン、グリックマンの両氏は遺伝子組み替えという難しい問題を含めた我々の指摘した懸念への対応を通じて大変に良い仕事をやり遂げ、最近では非常に多くの事柄に注意を払い、結果的には全体として素晴らしい仕事を達成した」と語った。

一方、グリックマン農務長官の発表によれば、オーガニック認証を受ける全米15州の小規模生産者については、その認証に必要な費用の分担プログラムを導入すると述べている。これももう一つの良いニュースである。「OFRFは当初からUSDAが厳格で透明性のある規則の採用をすることに拘っており、農業に関する公的な研究や教育資源についての公正な配分を主張し続けている」、OFRF(Organic Farming Research Foundation)スクロークロフト専務理事と述べ、「オーガニック農業は将来の繁栄や自立を我々の農場、食卓にもたらす最も明るい希望である」と付け加えた。

*参考サイト: 米国農務省 オーガニックプログラム
http://www.ams.usda.gov/nop/

 


遺伝子組み換えトウモロコシ「スターリンク」

  日米、米飼料トウモコロコシへのスターリンク検査で協議継続

 [ワシントン 29日 ロイター]
 米農務省(USDA)の当局者によると、USDAと日本は、米飼料用トウモロコシに遺伝子組み換え操作を施した「スターリンク」が混入しているかどうかを確認するための検査をめぐり、協議を継続している。 日本は米トウモコロシの最大消費国で、食用を年間400万トン、飼料用を同1100万~1200万トン輸入している。 USDAと日本の農水省は10月、食用として日本に出荷される米トウモロコシの検査に関するプロトコルで合意している。 USDAの貿易部門高官、Isi Siddiqui氏は記者団に、「協議は食用トウモロコシの時と同じ流れで行われているが、詳細はまだ詰めらていない」と述べた。 そのうえで、「できるだけ早急にこの件を解決したい。時間的な枠組みは設定されていない」と付け加えた。 日本は食用、飼料用のいずれにもスターリンクを承認していない。 米国の規制当局は、飼料用に限定して承認しているものの、調査官は9月、大量の黄色トウモロコシにスターリンクが混入していることを発見した。


米国で44人がスターリンク混入食品で身体の不調を訴える

 [ワシントン 28日 ロイター] 米疾病対策センター(CDC)と食品医薬品局(FDA)の当局筋は、これまでに44人が、遺伝子組み換えトウモロコシ「スターリンク」の混入した食品を食べたとして、身体の不調を訴えているが、原因がスターリンクによるものかどうかの特定は難しい、と指摘した。  CDCとFDAの科学者らは、欧州のアベンティス(AVEP)(AVE)製造のスターリンクが、発疹、下痢、嘔吐、痒み、時に致命的なアナフィラキシーショックを引き起こす可能性について、調査を行っている。 FDAの疫学者、クロンツ博士は、「我々は、これらの人々の検査を漸次行い、できる限りの医学的情報の入手に努めている」と述べた。


平成12年11月7日 厚生省サイトより

我が国で安全性未審査の遺伝子組換えトウモロコシ

(商品名:スターリンク)に関する対応

10月25日、国内の消費者団体が、市販トウモロコシ加工品から、わが国で食品としての安全性未審査の遺伝子組換えトウモロコシ品種であるスターリンク由来の原料が含まれているとの検査結果が得られた旨発表した問題について、厚生省としてこれまで下記のとおり対応しましたので、お知らせします。

指摘を受けたトウモロコシ加工品について

(1)現在、わが国における遺伝子組換え食品の安全性審査については、「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の法的義務化に関する食品、添加物等の規格基準の一部改正について(平成12年5月1日 生活衛生局長通知)」に基づき行っているところであるが、食品衛生法上未審査のものの輸入、販売等が禁止されるのは、来年4月からとなっており、現時点において法的な回収命令等の行政措置は取ることができない。しかしながら、来年4月以降の安全性審査の法的義務化をにらみ、10月25日、当該トウモロコシ製品の製造・販売業者に対し、念のため、当該製品の販売自粛を指導するとともに、当該トウモロコシ加工品の製造者に対し、原料までの遡り調査の実施・報告を指示している。

(2)また、11月2日、上記消費者団体が検査に用いたトウモロコシ加工品の残余について、同団体から提供を受けたことから、国立医薬品食品衛生研究所において確認検査を実施しているところである。 (注)現在、米国においては、米国農務省(USDA)がスターリンク回収プログラムを実施中である。このプログラムの対象は本年度産スターリンクだけではなく、作付けが始まった98年度産、99年度産のものも含まれる。最新の情報によると、本年度産のスターリンクについては、98%以上が回収済、又はUSDAの管理下にある。残りについては、既に流通しているものと考えられ、USDAは追跡調査を行っているが、本年度産の米国全体のトウモロコシ生産量に比べると、この量は非常に少ない。なお、2001年度以降、スターリンクの作付けを行うことは、法律的に禁じられることとなっている。

(3)先般国内消費者団体から混入が指摘されたスターリンクについては、現在、食品衛生調査会において食品としての安全性について審査中である。これまでに提出された資料において、スターリンク中で発現するタンパク質(Cry9c)のアレルギー誘発性に関するデータが不足していたことから、申請者に対し、平成11年6月、追加データの提出を要求している。これまでに、スターリンクによる健康被害等は報告されておらず、健康被害が生じるという知見は得られていない。

指摘を受けたトウモロコシ加工品の原料の流通経路について

 厚生省は、当該トウモロコシ加工品の製造業者に対して、使用原料等の調査の実施を指示しているが、これまでの調査の結果、当該トウモロコシ加工品と同一製造日(本年5月19日・賞味期限本年11月15日)の製品は400袋(1袋500g)あったが、当該製品は全て消費済み又は店頭から撤去されているとの報告を受けている。当該トウモロコシ加工品は、国内で加工されたものであり、その原料トウモロコシについては、本年1月に米国から輸入されたものであったとの報告を受けている。来年4月以降遺伝子組換え食品の安全性審査が法的に義務化されることから、厚生省の研究班において検査法の研究を進めているところであるが、その研究過程で用いられたトウモロコシ18検体中7検体にスターリンクの混入が確認されたことから、そのトウモロコシの輸入業者に対しては、その国内市場における流通状況の把握を行うよう指示したところであり、その結果をもとに対応することとしている。

今後の対策に係る米国政府の対応状況等

() 米国政府は、10月26日以降のトウモロコシの輸出について、スターリンクを含む可能性のあるトウモロコシを食用として日本に輸出することを禁止し、輸出前に検査を行う等の必要な措置を講じるよう指示を行っている。従って、これ以降、未検査のトウモロコシの輸出は行われていない。

(2)厚生省は、米国政府に対し、スターリンクが食品としてわが国に輸出されないよう必要な措置を講じるよう強く要請してきたところであるが、これまでに、米国政府が次のような措置を講じることで、日米間で合意に達した。

(1) 事業者は、USDAの監視の下、USDAの定める基準に従い、内陸の積込地において、バージ及び貨車を洗浄する。荷積中にバージごと USDAが定める方法により検体のサンプリング及び検査を行い、陰性の結果が出たものを封印し、明確に区分した上で輸出船に搬送する。同時に、厚生省に送付され、厚生省においても出港前に検査を行い、陰性のもののみを輸出する。

(2) USDAは、輸出港において、事業者のコンベアー、貯蔵施設等の洗浄状況等を監視し、明確な区分が行われていることを確認する。

米国における自主回収製品の日本への輸出について

 米国で9月18日の消費者団体によるスターリンクの混入に関する発表後、製品の自主回収を行っているが、厚生省のこれまでの調査の結果、一件のみ日本に輸入されている事例があることを確認し、当該製品については使用自粛が行われている。

照会先:厚生省生活衛生局


 

狂牛病−欧州全域に広がる勢いで政治問題化

  
A.
BSE cases confirmed in cattle. Belgium, Denmark, France, Germany, Ireland, Luxembourg, the Netherlands, Portugal, Spain, Switzerland and the United Kingdom.

B. Likely to have BSE in domestic cattle, but no confirmed cases. Italy.

C. Unlikely to have BSE in domestic cattle, but it cannot be excluded. Austria, Canada, Finland, Sweden

D. Highly unlikely to have BSE in domestic cattle. Argentina, Australia, Chile, New Zealand, Norway and Paraguay. den and the United States.

 



狂牛病問題でドイツの2閣僚が引責辞任 

朝日新聞(01/10/01)

ドイツのアンドレア・フィッシャー保健相(40)=90年連合・緑の党=とカールハインツ・フンケ農相(54)=社会民主党=は9日、狂牛病対策に適切な措置をとらなかった責任をとって辞任した。昨年11月に国産の肉牛2頭が狂牛病と診断されて以来、国内各地に感染牛が見つかり、それまで「ドイツは狂牛病とは無関係」として対応が遅れた両大臣に批判が集まっていた。1998年秋に両党の連立でシュレーダー内閣が発足してから辞任した閣僚は、これで7人になった。

90年代に英国で猛威をふるった狂牛病が昨年、フランスなどで確認された後も、フンケ農相は狂牛病の感染の要因とみられている動物性飼料は「安全」と話していた。肉牛の感染検査が始まったのは昨年秋、国産牛の感染が確認されて初めて動物性飼料の全面禁止を打ち出した。フィッシャー保健相は、感染の危険があるソーセージの販売禁止措置などが遅れた。閣僚が政権半ばで辞任するのはドイツでは異例のことで、保健相、農相の後任人事をめぐって政権幹部の協議は9日深夜に及んだ。

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デンマーク、狂牛病の症例が報告される

 [コペンハーゲン 200119日(火) ロイター] デンマークの食糧・農業・漁業省によると、同国で、牛海綿状脳症(狂牛病)の症例が報告された。狂牛病の発生は、同国としては過去10年間で3例目。同省の報道官は、ロイター通信に対し、「当該の牛に対するデンマークの検査結果は、陽性だった。この牛は、通常の手続きとして、検証と結果確定のため、英国に送られた」と語った。 英国の検査結果は、1週間後に発表される予定。

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EU内で牛肉の流通滞る、狂牛病検査の強化で

 [ブリュッセル 200119日(火) 959分ロイター] 欧州連合(EU)に加盟する各国の市場では、生後30カ月以上の牛肉について流通前に狂牛病検査を義務付ける措置がとられてから、施設不足を背景に牛肉の流通が滞っている。 フランスでは、牛取引業者がパリ周辺の道路に繰り出し、政府の対応に抗議するデモを展開。イタリアでは、政府が狂牛病対策チームの発足を発表した。 一方、ベルギーの食肉解体業者の団体は、適切な検査施設の不足で、流通されずに冷蔵庫に眠っている食肉の量が増えている、と指摘している。

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欧州製化粧品の輸入停止を検討=狂牛病対策で−豪

【シドニー200118日時事】8日付のオーストラリア全国紙オーストラリアンによると、豪州政府は、狂牛病の侵入防止策として、牛の成分を使った欧州製化粧品や薬品の輸入禁止を検討している。豪州とニュージーランドは5日に欧州30カ国からの牛肉および牛肉使用食品の輸入を全面的に禁止したばかりだが、化粧品や薬品にも禁輸を拡大する可能性が出てきた。 

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スイス、狂牛病対策で11日から肉・骨粉の飼料向け使用を禁止へ

 [ベルン 20001221日 ロイター] スイスは、国内から牛海綿状脳症(BSE=狂牛病)を根絶するため、1月1日から肉と骨粉を飼料用に使うことを禁止する。当初は2001年3月に設定されていた期日を前倒しすることで同国政府の閣僚らが合意し、すべての動物性飼料を焼却するよう指示を出した。同国政府は、セメント業界の焼却炉を使用して飼料を焼却するための追加費用4000万スイスフラン(2392万ドル)のうち、3000万スイスフランを負担する。またこの政令は、飼料の生産過程で抽出された脂肪も対象としているが、副産物である一部の液状飼料については、家畜の豚に与えても害はないとみなされており、対象外とされている。魚粕については、反芻動物の向けの使用のみが禁止される。

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<狂牛病>ドイツ議会が動物性飼料の使用全面禁止法案を可決

毎日新聞社 121

【ベルリン30日藤生竹志】欧州各国に狂牛病が拡大している問題で、ドイツ連邦議会(下院)は11月30日、感染源とみられる動物性飼料の使用を全面禁止する法案を可決した。連邦参議院(上院)も12月1日に同法案を可決し、2日には発効する見通しだ。また、独政府は30日、来週から狂牛病の感染検査を全国一斉に実施すると発表した。欧州委員会は29日、動物性飼料の使用禁止や、狂牛病にかかる可能性があるといわれる生後30カ月以上の牛すべてに対し狂牛病の検査を行う対策案を提示しており、これを受けた措置。ドイツではこれまで狂牛病の報告はなかったが、11月24日に国内産の牛が感染していたことが初めて確認された。感染例がなかっただけに動物性飼料の使用が認められていたことなどについて、消費者団体から「必要な措置を取らなかった」と政府に対する批判が高まっている。全国紙「ウェルト」などによると、狂牛病騒動でドイツでは牛肉の消費量が70%も落ち込み、スーパーでは売れ残りが続出している。

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狂牛病で動物性飼料を全面禁止 欧州委

来年1月にも実施

 【ブリュッセル1130日=産経新聞社 佐野領】狂牛病が再び欧州全域に広がり始めた問題で、欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は二十九日、定例閣議を開き、()感染経路とされる動物性飼料の六カ月にわたる全面的な使用禁止()二歳半以上の肉牛すべてに対する狂牛病検査の実施−を柱とする新たな対策を提案した。十二月四日の農相理事会の決定が得られれば、来年一月から対策が実施される見通しだ。全面禁止の対象となった動物性飼料は、欧州で家畜飼料の八五%を占める年間三百万トン(十五億ユ−ロ=千四百億円相当)が生産されている。これを全面禁止すれば、代替の植物性飼料の輸入費用を含めて大規模な補償が必要となるため、二十日の農相理事会では全面禁止が見送られていた。しかし、フランスで今年夏から百件もの感染例が見つかったのに続き、スペインとドイツでも感染例が見つかるなど、狂牛病騒動は一段と深刻化。食品の安全性を求める消費者の声に押されるかたちで欧州委員会は動物性飼料の全面禁止に踏み切ることを決めた。

 動物性飼料が問題視されるのは、食肉用に出荷した家畜の内臓や骨を粉末化して再利用しているため、狂牛病に感染した動物の内臓まで再利用してしまい、欧州全体に狂牛病の連鎖が起きている恐れが強いためだ。欧州委員会のバーン欧州委員(保健・消費者保護担当)は「狂牛病の連鎖を断ち切ることが最優先事項だ」と述べ、全面禁止に理解を求めた。欧州委員会によると、狂牛病対策には約一億四千万ユ−ロがかかる。二〇〇一年のEU共通予算に計上された予備費だけではパンク状態となり、EU各国が追加負担をする必要もでてきそうだ。狂牛病は一九九六年、人間を痴ほう化させる致死性のクロイツフェルト・ヤコブ病との関連性が明らかになり、これまでに英国で八十数人、フランスで二人の死亡が報告されている。


 

農業における抗生物質の使用問題、その他


New York Times on January 9, 2001 社説

農業における抗生物質の使用

近代の米国の農業に於いて特筆すべきことのひとつに、牛、豚、そして特に家禽類が消費する飼料及び水の中に通常添加物として抗生物質の使用が増加していることがある。これらの医薬品は家畜に対して病気を治すことではなく、少量ながらも管理を目的として用いられ、むしろ混み合った飼育場や閉じた飼育環境によって生じる病気を抑え、より少ない飼料により飼育することが奨励されている。この方式は1940年代から1950年代初期に始まり、急速に拡大し、今日では誰も正確にはその使用されている量を知らない。今週、ある民間団体から発表された推計では米国の畜産業で治療目的ではなく使用された抗生物質の量は年間2400万重量ポンドに達し、1985年に比較して、何と50%も増加している。

これらの数字はマサチューセッツ州ケンブリッジの非営利団体、「意識ある科学者同盟」による農業での抗生物質についての新しい報告に発表されている。これらの数字は二つの理由から警告を発している。第一番目には2400万ポンドが以前の予想をはるかに超えていること。二番目には、この報告書によると、抗生物質の生産とその人体、または動物への使用について「驚くほどに不完全」なために、そのデータを得ること著しく難しいことが挙げられる。例えば、獣医が用いる医薬品のメーカーで作る業界団体の推測では、動物の管理に使用されるものよりもはるかに多くのものが人の病気の治療に用いられている。一方、ごく最近の新たな予測では、正反対になっている。つまり、牛、豚や家禽類が治療以外の目的で使用される全体の量は、実際の人の病気を治療するための量の8倍もあるとしている。

国民はこの問題について重大な関わりがある。なぜなら、治療用の抗生物質に対抗力をもつ細菌の数は増えており、問題の多くが対象となる細菌を殺すはずの抗生物質が、必要以上に使用される結果、むしろ対抗性を持つ細菌の拡大をもたらしていることである。少量の抗生物質を数多い動物に対して与えることにより、人体に病気をもたらす原因となるサルモネラ菌やカンピロバクテリアを含む細菌に対しては抗体を育てる最も望ましい条件を作り出す。既に人体への不必要な抗生物質の使用については、医学界には多くの懸念が生まれているが、農業における抗生物質の無頓着な使用問題はそれ以上に悪化している。さらに言えば、動物に抗生物質を投与すること自体必要がないのである。スウェーデンの農民は家畜に人体用の貴重な抗生物質の使用は不法とされていることがそれを示している。

さらに国民は抗生物質の使用方法についても正しい情報を得ることに関心がある。この報告が主張するように、政府や業界からの「抗細菌物質の使用についての最も基本的な情報がない」、つまり、正確な数字がない中では意味のある政策を打ち出すことは難しいのである。確かに、政府の健康問題の関係者さえも抗生物質の使用についての信頼できるデータの不足を嘆いている。

抗生物質が病気に対して効果的に作用することを保証するのは、どのように、どの位の量を投与するかを明確にすることであり、それが不必要な使用を回避することになる。FDA(食品医薬品局)では今月後半に動物に関する抗生物質の使用に関する会議を開催する。そこでは問題となる量について分析すると共に、統計的な誤差をなくす方法を見つける必要があるが、近代の薬剤に抵抗力のある細菌をさらに数多く生み出す前に、何とか抗生物質の使用を一挙に削減する必要性への疑問の余地はないようである。

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米、遺伝子組み換え食品に届け出制・表示義務化は見送り

 【ワシントン=日経 2001117安藤淳】米食品医薬品局(FDA)は17日、遺伝子組み換え技術を使って開発した食品や飼料について販売前届け出制の導入を決めた。消費者団体などが求めていた組み換え表示の義務化は見送ったが、表示を希望するメーカー向けに指針も設けた。米国では飼料用にしか認められていない遺伝子組み換えトウモロコシの食材混入事件を機に、組み換え食品に対する不安が高まっているが、結果的には業界の意向に近い緩やかな規制にとどまった。消費者などから意見を聴取したうえで、今春にも正式に実施する。

 米国では従来、メーカーの自主的判断でFDAに遺伝子組み換え食品の開発状況などを報告していたが、新制度は発売4カ月前までに届け出を義務づける。すべての組み換え品を把握し、安全性に関するデータがそろっていることを確認するのが目的で、FDA自らが厳格な試験をすることはほとんどないとみられる。

表示法の指針は、遺伝子組み換え技術を使った材料が含まれる場合と含まれない場合の両方について決めた。消費者に誤解を与えないよう、「GM」や「GMO」など遺伝子組み換え作物を表す省略記号を用いた表示や「(性質を)変えてあります」といったあいまいな表現は認めず、「バイオテクノロジー使用」などと明記するよう求めている。


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Last update: 02/08/17

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